自画像
《自画像》1923(大正12)年制作・東山魁夷15歳
油絵・キャンバス 33.0cm×23.4cm/長野県立美術館・東山魁夷館 蔵
志
自然を人間と対立するものとしない感じ方、考え方が、幼い頃から私の中に芽生えていたことは事実である。
少年期の終わりに、幾度かためらいながらも、画家になる決心をして、神戸を離れ、東京美術学校に入学した。『日本の美を求めて/講談社』
私の通った中学校は、スパルタ式の教育方針で、その厳格な鍛え方の中には、その反撥としてであろうか不思議に甘美なものへの傾倒を誘うものもあった。この少年時代は未だ非常に漠然とはしていたものの私の人間的生成に大きな影響を与えたようだ。『芸術新潮1957年7月号/新潮社』