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月篁

《月篁(げっこう)》1967(昭和42)年制作・東山魁夷 59歳
紙本・彩色 115.4cm×160.6cm/東京国立近代美術館蔵

 

新秋の宵

月の光を宿して竹の葉は微妙に揺らぐ。
道の辺の虫の音の、
なんと美しく澄み渡っていたことか。
京都嵯峨野の新秋の宵、
二尊院から去来の墓を過ぎ、
落柿舎(らくししゃ)へと歩く。
自然の中の喜び・秋/講談社

紙本・彩色 203.0cm×163.5cm/東京国立近代美術館蔵

 

太陽と相対する霧氷の樹

 白い珊瑚樹のように、霧氷の樹は無数の枝を半円形にひろげて、霧の中に鈍い光を放つ太陽に相対している。白とグレーの淡い調子が画面を支配する。
 白い枝が交錯して醸し出す夢幻的な雰囲気と、冬の清澄な静寂感。
『画集東山魁夷/三彩社』

東山魁夷主要作品